金属加工油のカタログについて解説してみます。
これがGutty Oil HE-01(水溶性切削油)のカタログです。
性状表の各項目について
特に初めて見るとなんのこっちゃ分からない性状表について、それぞれの表記の意味について書いていきます。性状表に載っているデータは主にJIS規格(日本産業規格)で定められた試験方法で算出された数値が記載されています。
外観
水溶性切削油の場合は希釈前の原液の色です。
希釈後の色が載っている場合もあります。
型
水溶性切削油は水に希釈した際の外観の色でエマルション(A1種)、ソリュブル(A2種)、ソリューション(A3種)に分類されます。
それぞれの特徴等についてはこちらで。
密度
体積あたりの質量のこと。
この場合、1㎤あたり0.94gということですね。
密度が分かることで1缶あたりの重量なども計算することができ、輸送時等に重要な指標となります。
水の密度がおよそ1ですので、それより小さい数字だと水に浮くということになります。
界面活性剤(添加剤)のはたらきによって水と混ざるようになり、この界面活性剤が使用時に泡が発生する原因です。
塩素分
塩素を含む油剤は加工性が良い反面、人体や環境への影響が懸念されるほか、腐食性が高く錆が発生しやすい、廃油処理コストが高い等のデメリットがあります。
非塩素の油剤は環境負荷が低く、非危険物となるため取扱も容易で、現在業界全体で非塩素化が進んでいます。
Gutty Oilの切削油はすべて非塩素。安心してお使いいただけます。
硫黄分
硫黄分が多く含まれるほど硬い素材の加工に適していますが、鉄系の材料を変色させてしまうことがあります。
不揮発分
切削油が乾燥した際に残留する成分の割合のことで、油剤の潤滑性や防錆性に関係しています。
エマルションの不揮発分は一般的に100~80%です。
不揮発分の含有率は、切削油の種類や用途によって異なります。
表面張力
表面張力が小さいほど工具の刃先まで切削液が届きやすく、刃先の摩耗がしにくくなります。
通常、dyne/cm(ダイン毎センチメートル)という単位で測定され、20~50dyne/cmの範囲が一般的です。
摩擦係数
摩擦係数が高い=潤滑性が悪い
摩擦係数が低い=潤滑性が良いということです。
耐圧荷重
潤滑油が荷重や圧力による摩擦や劣化に耐える力です。
油膜がしっかりと保たれていれば、摩擦や摩耗を防ぐことができます。
pH
「ぺーはー」ですね。食品のラベルにも載ってたりします。
水溶性切削油のpHは通常8~10の弱アルカリ性。
切削性能が保たれ腐食防止や細菌の発生抑制効果があります。
高すぎる(10以上)と皮膚への刺激が強くなったりアルミなど柔らかい金属に腐食のリスクが生じます。
低すぎる(8以下)と防錆効果や防腐効果が低下し細菌やカビの繁殖が進みやすくなってしまいます。
消防法
消防法で定められた区分によって倉庫に保管できる数量等が決まります。
非塩素系の水溶性切削油は引火点が無いため非危険物として保管できます。
HE-01の性状表に記載されている項目について一通りご説明しました。
このカタログには載っていない項目もまだまだたくさんありますので、機会があればそちらについても書いてみようと思います。
用途について
用途
「切削加工一般」という単語は、カタログの用途欄で幅広い切削加工に対応できることを示すためによく使われます。
具体的には、フライス加工、旋盤加工、ドリル加工、タップ加工など、汎用性が高い切削作業を対象にしており、特に特別な条件を必要としない一般的な加工環境に向けた製品であることを表しています。
この言葉がある場合、特定の素材や加工条件に限られず、様々な材質や機械で使用可能なオイルとして、幅広い現場での使用を前提としています。
HE-01は、特にアルミに特化したユーザーより高評価をいただいている油剤です。
終わりに
最後までご覧いただきありがとうございます。
油剤のカタログの表記について、少しは解像度を上げられたでしょうか?
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